複素平面上の円の方程式

複素平面上の円および直線の方程式についてまとめた。主に 複素関数論講義(野村) 1.4章を参考にした。

直線の方程式

2つの複素数 \(u,v\) を2次元ベクトルと見た時の内積は \( \mathrm{Re}\left( \overline{u}v \right) \) で表されることに注意しよう。\(\gamma\) を通り \(\beta\) に垂直な直線は \( \mathrm{Re}\left( \overline{\beta} \, (z\,-\,\gamma) \right) = 0 \) と表される。

\( \begin{eqnarray}
2 \, \mathrm{Re} \left( \overline{\beta} \, (z\,-\,\gamma) \right)
&=& \left( \overline{\beta} \, (z\,-\,\gamma) \right) + \overline{\left( \overline{\beta} \, (z\,-\,\gamma) \right)} \\
&=& \overline{\beta}\,z + \beta\,\overline{z}
\,-\, \overline{\beta} \, \gamma \,-\, \beta \, \overline{\gamma} = 0
\end{eqnarray} \)

\(\,-\, \overline{\beta} \, \gamma \,-\, \beta \, \overline{\gamma} \) は実数であり、これを \(c\) と置けば次式が得られる。

\(\begin{eqnarray}
\overline{\beta}\,z + \beta\,\overline{z} + c &=& 0 \tag{1}
\end{eqnarray}\)

逆に 0 でない複素数 \( \beta \)、実数 \(c\) に対して、(1) を満たす集合は直線であることを示そう。\( \overline{\beta}\,\gamma + \beta\,\overline{\gamma} =-c \) を満たす \( \gamma \) は存在する。例えば、\( \gamma=-\frac{c\,\beta}{2|\beta|^2} \) と取ればよい。この時、式 (1) を満たす \(z\) は \( \mathrm{Re} \left( \overline{\beta} \, (z\,-\,\gamma) \right) = 0 \) を満たすから \(z-\gamma\) は \(\beta\) に垂直である。したがって、式 (1) は \(\gamma\) を通り、\(\beta\) に垂直な直線の方程式である。

方程式に 0 でない実数を掛けても良いので、方程式は一意ではない。\(c=1\) に限定すると、\(c=0\) の場合が除外されてしまう。また、複素関数論講義(野村) を参考にして、自分にとって分かりやすい方法に修正した。

円の方程式

\(-\beta\) を中心とした半径 \(R\) の円の方程式を求める。中心の符号は式を上とそろえるためにマイナスをつけた。\( \left| z + \beta \right|^2
= \left( z + \beta \right) \overline{\left( z + \beta \right)}
= R^2 \) より次式が得られる。

\( \begin{eqnarray}
|z|^2+\overline{\beta}\,z + \beta\,\overline{z} + \left| \beta \right|^2 \,-\, R^2 &=& 0
\end{eqnarray} \)

\( \left| \beta \right|^2 \,-\, R^2 \) は実数であり、\(c\) とおくと次式になる。

\( \begin{eqnarray}
|z|^2+\overline{\beta}\,z + \beta\,\overline{z} + c &=& 0 \tag{2}
\end{eqnarray} \)

形としては式 (1) に \(|z|^2\) が加わっているだけであるが、係数に条件 \( \left(R^2=\right) \left| \beta \right|^2 \,-\, c > 0 \)が加わる。式 (2) から逆に辿ることもできる。

リーマン球上の円の方程式

リーマン球上では直線は無限遠点を通る円である。実数パラメータ \(a\) を追加して、円または直線の方程式を次のようにまとめることができる。

\( \displaystyle a |z|^2 + \overline{\beta}z + \beta\overline{z} + c = 0
\quad \left( |\beta|^2-ac > 0 \right) \)

\(a=0\) の場合は直線、\(a\neq 0\) の場合は円の方程式である。表現は一意的ではない。