教員生活

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博士課程進学の可否

前回、なぜ修士論文すらまともに書けなかった学生の博士課程への進学を許したのだろう。響教授の話では学位を取るつもりがあるとは思わなかったそうだ。彼は起業の勉強目的で博士課程に進学するという。博士を取るつもりがなくて博士課程に進学するなんてこと...
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博士論文の価値

私が助教として所属していた響研究室では博士課程の学生が6名在籍した。初めの2人は学位を取得できなかった。次の2名は民間企業の研究所に在籍する社会人であって、彼らは自分たちのテーマで取得した。最後の2名はアジアの発展途上国の教員で博士を取得す...
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研究室ホームページと教授の業績

研究室のホームページを立ち上げることになった。作成は個人事業主をしているOBに発注することになった。OB に研究室のホームページなら響教授の業績を公開すべきではないかと提案したら、響教授に提案してくれて同意を得た。これで謎に包まれていた響教...
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設置審

30年ほどの教員生活で4回の改組を経験している。10年弱に1回くらいだろうか。大規模な変更を積極的に行いたい時もあれば、単に文科省に改革をアピールするだけの改組もある。改組をするときは文科省の設置審にかける必要があり、この時は教員の審査も伴...
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研究テーマへの批判(4)

前回の続きで、業績を理由に学科を追放される話である。改組により学科の教員の 2,3割が新設するロボット系の学科に配属になる。ハードウェア担当の教員が主に配属になると予想されたが、人数が足りなさそうだ。OSの講義担当者であることを理由に組み込...
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研究テーマへの批判(3)

今回は他の教員からの研究批判について語る。批判は基本「ニューロだから」という偏見である。なぜなら、私の研究は同僚の楠先生の研究をまねたもので、研究テーマとしては楠先生も同じ批判を受けなければおかしい。論文掲載誌を見ればレベルも楠先生と比べて...
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研究テーマへの批判(2)

初論文掲載後もニューラルネットワークの研究を続けていた。一方で、着任時は響教授も「やわらかい情報処理」と称して主要な研究テーマにしていたが、研究対象から外しつつあった。学生からも「ニューロは将来が無いからやめる」と響教授が言っていたと聞いた...
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研究テーマへの批判(1)

響教授から研究テーマを却下されたのは私だけではなく、学生も却下されることはあった。悪質だった2件を取り上げよう。1つ目は自然言語処理を研究した修士の学生である。音声入力を文書化する研究であった。音声入力ソフトの結果に、Web検索を利用して前...
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初めての研究論文 (4)

情処に投稿して1年が経過し、ようやく査読結果が届いた。当時としても、これは異例な長さだろう。通常は2人が査読するが、なぜか査読報告は1つだった。「この問題を解決するには提案方法しか考えられない。誰でも思いつく方法でありオリジナリティが感じら...
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初めての研究論文 (3)

論文には楠先生にも連名になってもらうつもりだ。響教授から、楠先生の上司 I 教授も連名にしろと命令された。研究に何も寄与していないのに連名にしなければならないのか。「楠先生が責められたらかわいそうじゃないか。」と響教授は言う。それでは、私が...