曲線と曲面 §17 正規直交標構による方法

「手を動かしてまなぶ 曲線と曲面 (藤岡 敦) §17 正規直交標構による方法」の学習記録。

正規直交標構

パラメータ u,v で表された曲面 p(u,v) を考える。パラメータ u,v はしばしば省略する。正規直交標構はグラム-シュミットの直交化法を用いて構成できるとあるので、実際に構成してみる。まず、e1=1pupu である。次に q=pvpv,e1e1 として、e2=1qq,e3=e1×e2 とすれば、正規直交標構 {e1,e2,e3} が得られる。

ここで {e~1=e1,e~2=e2,e~3=e3} も条件を満たす正規直交標構に思える。しかし、このテキストの構成では除外されるようだ。{e~1=e2,e~2=e1,e~3=e3} も同様である。{e1,e2}{pu,pv} が同じ向きになることを要求しているようだが、定義17.1 のどこにあるのか今のところ分からないので、とりあえず疑問点として書き留めておく。これは 17.4節でも現れる。e~3=e3 とされているが、接平面の正規直交系が逆向きの場合、e~3=e3 となる。(e1e2)=T(e~1e~2) と表した時、TO(2) ではあるが、一般に TSO(2) とは限らない。結果に大きな影響はないので {e1,e2}{pu,pv} が同じ向きになることは仮定しない。

1pu×pvpu×pv=ce1×e2 と表す。{e1,e2}{pu,pv} が同じ向きの場合は c=1、逆向きの場合は c=1 である。(pupv)=(a11a12a21a22)(e1e2) と表す。

pu×pv=(a11a22a12a21)e1×e2=c(a11a22a12a21)pu×pvpu×pv

c(a11a22a12a21)=pu×pv なので、a11a22a12a210 。特に、A=(a11a12a21a22) は正則。

第一基本形式の計算

(EFFG)=(pupv)(tputpv)=A(e1e2)(te1te2)tA=AtA

(αβ)(pupv)=(θ1θ2)(e1e2) とする。(α,β),(θ1,θ2) はそれぞれ基底 {pu,pv},{e1,e2} に関する座標である。(pupv)=A(e1e2) の関係があるので、(θ1θ2)=(αβ)A である。

(αβ)(EFFG)(αβ)=(αβ)AtA(αβ)=(θ1θ2)(θ1θ2)

第二基本形式の計算

Eα2+2Mαβ+Nβ2=1 を満たす α,β に対して、αpu+βpv 方向の法曲率は第二基本量を使って次のように表される。

Lα2+2Mαβ+Nβ2=(αβ)(LMMN)(αβ)=(θ1θ2)A1(LMMN)tA1(θ1θ2)=(θ1θ2)B(θ1θ2)

ここで、B=A1(LMMN)tA1 とおいた。主法曲率っぽく κn と書かれているけど、特に主法曲率に限定される理由はなさそう。