数学ノート

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コーシーの積分定理と代数学の基本定理

複素関数入門(神保道夫)の第3章で、コーシーの積分定理の応用として代数学の基本定理が証明されていた。もう少し先に進んでから証明する教科書が多いと思う。よく見かけるのはリウヴィルの定理の応用だけど、ルーシェの定理を使う方法も有名らしい。 (追...
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冪級数の収束円周上における収束性

冪級数の収束円周上における収束例 本記事の題材は複素関数入門(神保道夫)第2章で例2.2で与えられている冪級数の収束円周上の収束パターンについて。 \( \begin{eqnarray}f_0(z) &=& \frac{z}{1-z} \,...
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対数関数と逆三角関数

今回の題材は関数論講義(金子晃)の第1章から。この本、第1章から目から鱗が落ちる。 対数関数の定義 対数関数は指数関数の逆関数として定義されることが多い。指数関数はオイラーの公式を使って定義されることも多いが、冪級数を使った定義 \( \d...
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体の乗法群の有限部分群

はじめに 体の乗法群の有限部分群は巡回群である。特に有限体の乗法群は巡回群である。教科書によっては扱っていない内容のようで、証明を探すのに意外と手間取った。アルティン著「ガロア理論入門」を参考にした。これだけの名著がちくま学芸文庫になって安...
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非単拡大の中間体

テーマは アルティン著「現代代数学特論」4.4中間体 から。次の定理が紹介されている。(明示的に定理としてまとめられているのではなく、内容をまとめたものである。)\( E/F \) は有限次拡大とする。 \( E/F \) が単拡大 \( ...
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群の弱い公理

題材は 現代代数学特論(エミール・アルティン)から。たまたまこの本が出版されているのに気付き、絶版になる前にすかさず購入。 群の公理 一般的に群の公理は以下のように与えられる。 結合則\( (ab)c=a(bc) \)単位元 \(e\) の...