ある本でブロック行列で表現された行列の逆行列を目にした。証明は簡単で、掛けて単位行列になることを確認すればよい。しかし、どのように逆行列を導いたかは書かれておらず、長い期間分からないままだった。このままでは必要になるたびに逆行列を解説しているテキストを探さねばならず、しかも取り扱っているテキストは少ないため非常に不便である。たまたま授業の準備で基本変形を調べていた時に導出法に思い至った。
ブロック行列
が正則行列の場合
まず、
上の手順を具体化する。
ここで、
基本変形を更に進めるためには
上の基本変形をまとめて逆行列を求める。
実際に計算してみると
ブロック行列で表された正方行列
(1)
(2)
(1) より、
が正則行列の場合
各ブロックについて正則性を仮定したバージョンが存在する。ここでは
基本変形をまとめると
結果を次にまとめる。
ブロック行列で表された正方行列
(1)
(2)