修論発表会(2)

前回の投稿からずいぶん間が空いてしまった。以前の修論発表は主査、副査以外に出席義務はなかったが、上からの指示により教員は全発表に出席が義務付けられた。そこで一部の教員が学生にも出席を義務付けるべきだと学科会議で言い出した。反対意見が出て義務付けないことに決まった。

修論発表会を担当する委員会は学科会議の決定を無視して学生の出席を義務付けた。私は学科会議で義務付けないと決めたではないかと反対した。担当者は同級生の研究内容も知らないまま卒業しても良いのかと主張してきた。それが正しいなら各研究室で他の研究室の発表を聞きに行くよう要求しているはずであるが、そうではなかった。私の研究内容など上司の響教授さえ理解していない。聞いても分からないから説明に来るなとまで言われている。担当者は学科会議で決まったのなら議事録を提示しろと要求してきた。私は議事録を示した。当然、これで納得してもらえると思った。ところが、今度は学科主任が、それは少数意見に配慮して記載しただけで無効であると主張して学科会議の決定は覆された。いくら何でもこれは酷い。学科会議の決定を覆すなら、少なくとも学科会議を臨時ででも開くべきではないか。この大学では会議での決定は権力者が気に入らなければ無効になってしまう。

こうして学生は修論発表会への出席が義務付けられた。ところが翌年、担当者や主任はすっかり忘れて、学生の出席義務は解かれた。あれだけ学生の出席は当然と主張しておきながら、簡単に忘れてしまう。私には教員が修論発表会への出席を義務付けられた腹いせが学生に向けられたようにしか思えない。